赤坂ACTシアター 坂東玉三郎 コンサート 世界の旅2012/07/07 12:37

2012年7月6日 赤坂ACTシアター 午後3時開演 1階W列7番

今年はプログラムがあって、中に歌詞が書いてある。
赤坂ACTシアターの1階に初めて座ったが、後ろの方は傾斜があり、席も千鳥になっているので、前の人の頭に邪魔されることなく舞台が見える。

第1部、バイオリンが「アラウンドザワールド」を演奏し始めると、下手から玉三郎が登場して歌いだした。今年はスリーピースではなく、ゆったりした黒っぽいスーツ。いつもの玉三郎ぽい。去年はバックに女性がいたが、今年は男性のみ。 歌い終わって、「緊張しております」。

自分が歌うとしたらシャンソンのようなものだろうと思われているので、去年はあえてアメリカの歌中心にした、と言った。

ルート66
テレビで「ルート66」をやっていたのは覚えているが、男性向きの番組だったようで、見た記憶がない。
ナットキングコールの歌唱が有名らしいが、ずいぶん前にラジオで、テレビで主役をやったジョージ・マハリスが歌うのを聞いた。向こうの俳優は歌もうまいんだと感心したが、Wikipediaを読むとジョージ・マハリスは歌手としても活動していた人だった。youtubeで探したら彼のルート66があった。今は便利。
http://www.youtube.com/watch?v=inQULg13AFE

踊りあかそう
ミュージカル「マイフェアレディ」から。玉三郎が「あなたの手に抱かれながら夢を見たい」と歌うのは素敵だった。


君住む街角
これも「マイ・フェア・レディ」の中の歌で、映画では、後年テレビでシャーロック・ホームズをやったジェレミー・ブレットが歌っていた。

Someone to watch over me
これは去年も歌った。「王様と私」の舞台で最初にアンナ役をやったGertrude Lawrence の話をミュージカルにしたのが「スター!」。その中でジュリー・アンドリュースが歌う曲で、玉三郎は二十歳前後の頃に聞いたものだそうだ。今年も歌うということは、何か当時の思い出があるのだろうか。

ス・ワンダフル
ガーシュイン作曲のスタンダード。最近はトミー・チューンがマイワンアンドオンリーの中で歌ったそうだ。初演はツイッギーといっしょに。
懐かしい、トミー・チューン。玉三郎のことを「心の友」と言っていた。あれは「徹子の部屋」だったか?

追憶
これは、ディレクターが、歌ってはどうかと言ったものだそうだ。
「追憶」は映画自体はそんなに好きではないのだが、The Way We Were の英語の歌詞とバーブラ・ストレイサンドの歌唱に思い入れがあって、玉三郎の歌でも、それは覆らなかった。

恋のバカンス
先日、伊藤エミが亡くなったが、新幹線ができて間もない頃、玉三郎が新幹線に乗ったらザ・ピーナツが乗っていて、「あー、新幹線に乗るんだな」と思ったそうだ。
玉三郎が「ためーいきのーでるよーな あなーたのくーちづけーに」と岩谷時子の歌詞のままで歌う「恋のバカンス」は最高。声は出さないがいっしょに口を動かした。

あいつが死んだ晩
これはプログラムには載ってない。アリスの「君の瞳は10000ボルト」の中に入っている曲だそうだ。玉三郎が、「知っている人は手を叩いてください」というと、叩く人がいて、「ああ良かった」。同世代の制作の仲間の死を悼む玉三郎。最後まで聴いて、ああ、これはうまい、と思った。本日一番の歌唱。

つめたい部屋の世界地図
陽水は好きだが、この歌は知らなかった。

夏の終わりのハーモニー
最後に「ハーモニー」と歌うときはギターの人と声を合わせていた。

日本の歌が4曲続いて、第1部は終了。


第2部は、白に銀の入ったスーツ。

最初は「セシボン」。越路吹雪は、行った日に越路が背中を傷めて休演だった「メイム」以外は見逃したことがないほどファンだったという話をして、この後の二曲はシャンソンの「明日は月の上で」と「水に流して」。

フランスが終わり、次はイタリア。歌の前に玉三郎はイタリアという国をほめたたえた。


アルディラ
「恋愛専科」というアメリカ映画に使われている。イタリアの美しい風景、この歌、当時輝くように美しかった金髪のトロイ・ドナヒュー。


ほほにかかる涙
私が小学校の頃、カンツォーネがはやった。日本の歌手が日本語の歌詞で歌っていた。「あなたを思って このほほの涙」というのとは、きょうは違う歌詞。

そして、旅の舞台はブラジルへ。

Wave
去年は、この歌を知らなかった。youtubeで調べて改めて聴いたが、素敵な曲。でも歌うのは難しそう。

いそしぎ
ボサノバで歌った人がいるからブラジルのところにあるのだろうが、私がアンディ・ウィリアムズ・ショーで聴いたようなのは、ボサノバではなかった。エリザベス・テーラーとリチャード・バートン共演の映画「いそしぎ」のテーマ曲。

ワンノートサンバ~イパネマの娘
Waveと同じアントニオ・カルロス・ジョビンの作曲。「イパネマの娘」の方はアンディ・ウィリアムズ・ショーで聴いた覚えがある。

次は最後の歌で、「ムーンライトセレナード」。去年のアンコール曲の1つだった。

玉三郎は、歌い終わって一度引っ込んだが、客席の拍手にこたえて出てきて、「用意しております」とニッコリした。

アンコールの最初は、ルイ・アームストロングの歌で有名な「What a wondeful world」。

アンコールの最後は 「LOVE」 。
「Lと書いたらLook at me 」と歌ってほしかったが、別の歌詞だった。


去年のコンサートは曲目が自分の中学高校時代にはやっていたものが多くて気持ちが燃え上がったが、今年は選曲がスタンダードすぎて玉三郎と同世代であることをあまり感じなかった。だから去年より感動が薄い。

きょうはコンサートの初日で玉三郎も本当に緊張していたのだろう。歌の出だしのタイミングを間違えたり、「上着を脱がしていただきます」と下手に歩き出したところで何かに躓いたのかつんのめりそうになったり。そういうときに客席に向ける苦笑した顔がチャーミング。何曲目かのとき、玉三郎の左手が動くのを見て、あの美しい手の動きもコンサートの魅力の1つなのだと思った。その頃から玉三郎の緊張もとけてきたのかもしれない。

第1部の最後の日本の歌は、自然に気持ちが盛り上がった。
玉三郎が歌いたい歌を何でも良いから入れたDVDを出してくれないかと思った。自分の葬式のときに流してほしいから。

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