松竹座 7月大歌舞伎 昼の部2006/07/19 23:19

2006年7月19日 11時開演 1階1列16番

大阪歴史博物館が予想より良かったので長居してしまい、またもやかすかに遅刻。秀太郎が花道を出て舞台に行くまで観客席の後ろで少し待った。最前列だから場所は簡単にわかるはずだったのだが、最前列まで行ったら私の席に別の人が座っていたので、そのまま前を横切って客席係の人のところに行き、座っていた人にどいてもらった。

「信州川中島」

例によって筋はよくわからなかった。秀太郎が琴を弾きながら歌うのだが、歌がけっこううまいと思った。

「連獅子」

翫雀、壱太郎親子の親獅子、子獅子と、修験者で出る愛之助。

修験者の愛之助の顔は公式ホームページで見ていたので花道を出てきたときにすぐわかったが、太い八の字眉をつけているので事前に知らないとわからないだろう。酒入りの瓢箪を抱えた修験者で、女二人が来て「この辺りに修験者が・・・」と問われると瓢箪を隠す、滑稽な役だ。頼まれて唱える呪文もとってもいい加減。踊りの最後にはひっくり返ったゴキブリのように舞台にひっくり返ってもがく。立ち上がって生の足の裏を見せながら退場して行った。女二人は雁乃助さんと扇乃丞さん。扇乃丞さんは浪花花形の伊勢音頭で顔を覚えた。愛之助はこういう中堅どころの役をやると安定してうまい。

壱太郎の子獅子は去年の比叡山薪歌舞伎で、仁左衛門と共演したのを見た。去年は仁左衛門が相手で遠慮していたのかもしれないが、今回は最後の毛振りのときにビュンビュン振っていかにも高校一年の若い力を感じさせてくれた。細長い手足と、獅子になってからの化粧が似合う顔立ちなので、現代的な雰囲気のある女形が似合うかもしれない。

「口上」

下手から仁左衛門、段四郎、壱太郎、翫雀、藤十郎、雀右衛門、我當、時蔵、秀太郎、菊五郎。

時蔵が立役姿だったのと段四郎の髷が短かったのが印象的だった。わりとみんなあっさりした内容で、顔を上げた途端に私の隣の席の人が吹き出した秀太郎が「先斗町へ遊びに連れて行ってもらった」と言ったのと菊五郎が「藤十郎さんとの共通点は奥さんが怖いこと」と言ったのがおかしかったくらい。藤十郎は夜と同じで芝居がかった口上。素面の人たちの中で一人酔っているような感じ。

「夏祭浪花鑑」

5月の演舞場で見たときに途中眠ってしまったので心配だったが、今回は眠らないで集中して見られた。やっとなんとか筋が飲み込めた。

5月と比べてもしかたないようなものだが、芝居の始めから舞台上の人が本物の関西弁を話しているのだけでも違う。

我當の釣船三婦は関西弁の等身大の人間に見えた。あんなにいい加減に浴衣着てもいいもんなのか、とか思いながら見ていた。

仁左衛門の一寸徳兵衛は信二郎がやったときとは別の役のように凄みがあった。「ちょっと待ってもらおうかい」と言うところとかの声が全然違う。縁台に座っているときに目の前に見える綺麗な足をじっと見た。反り返った親指が魅力的な細長い綺麗な足。団七役の藤十郎と組んだ動きをするところは、吉右衛門と信二郎の方が楽しそうに見えた。あれを吉右衛門と仁左衛門の長身コンビで見たかった。

5月に見たとき少し眠ってしまった釣船三婦内の場、今回は眠らなかった。 おつぎ役の竹三郎が色っぽい美人。素顔も色っぽい顔なので驚きはしないが、いかり肩で背も高そうなのに綺麗な女形になるものだ。

菊五郎のお辰は見ていて抵抗がない。5月の福助を見たときそんなに変だと思ったわけではないが、菊五郎みたいなのがお手本なのだろうと思う。

義平次役の段四郎は、うまかった。5月に同じ役をやった歌六もよかったし、5月に段四郎がやった釣船三婦も悪くはなかったが、釣船三婦は我當の方が自然だし、義平次は場数ふんでるだけ段四郎が歌六より勝ってると思う。 義平次が団七が恩を受けた磯之丞の恋人琴浦をだまして別の男のところに連れて行こうとするから義平次と団七の間に争いが起きるわけだ。義平次は小悪党で、ものすごく悪者にもものすごく意地悪にも見えない。意地悪に見えたのはテレビで見た平成中村座の笹野だ。

殺しの場は蓮池のまわりだが、最前列だったので蓮の葉で義平次と団七の姿が見えなくなることがあった。

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