蝉しぐれ 一回目2007/09/23 15:29

2007年9月23日 大阪松竹座 昼の部 午前十一時開始 3階2列23番

明日、一階前方から観る予定なのできょうは芝居を見るつもりで3階から観劇。日曜のせいか客席は若い人が多く、他のブログに書いてあったおばちゃん達のおしゃべりなど全く聞こえなかった。評判の悪い暗転も、覚悟して行ったせいもありそんなに気にならなかった。回数は少なくても歌舞伎の舞台転換にもっと長いこと待たされることはよくある。

一幕目の15歳の文四郎、かわいいじゃん。きのうの狐もあんな無心な感じでやればよかったのに。なんか苦悩に満ちた狐であった。父に、今まで育ててくれてありがとう、と何故言えなかったかと悔やんでいたが、言わなくてもよかったんだよ。きっと父は幼い文四郎をもらってからたくさんのことを文四郎からもらってたんだし、父はいつまでたっても幼いころの文四郎のまま文四郎を見てるんだろうから、そんな他人行儀なことをパッと口に出さないほうが子供らしいよ。

三幕目の殺陣は悪くはなかった。染模様の殺陣は近くで見たときまだるっこしくて遠くから見たらきれいだったが、今回はどうなんだろ。

愛之助は立居振舞がきれい。さすがに着物での動きに慣れていて折り目正しさが際立つ。しかしもっと大きな動きの面でいうと早い動きのときにバタバタした感じがする。もう少しタメがあったほうが良いのではないか。それと、人の話をきいて驚いたりするときの反応も早すぎる。最後のシーンのように落ち着いた演技のときは良い。

脇を固めている役者連中は、芝居は愛之助よりうまいと思う人が多い。それもあって全体的に良い舞台なのだが、私はこの恋物語自体に泣けなかった。あの年齢の頃のかなわぬ恋、というのは十分せつないのだが、話の展開に素直に共感できなかった。江戸に行く前のすれ違いにしても、既に旅立ったとしても歩いて行ったのなら若い男が走れば十分追いつける速さだったはずだ。最後の別れにしても、時代背景を考えれば別れるほかないのは十分承知なのだが、そのどうしようもなさが伝わってこなくて、まだあの年齢なら十分やりなおせる、これから結婚して子供もつくり金婚式だって迎えられそうではないか、と思ってしまう。結局、男が書いたラブストーリーには私の少女漫画頭がついていけなかったということか。最後のシーンは映画の方がめそめそしてない分よかった。

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