2011年 新春浅草歌舞伎 初日 夜の部2011/01/03 01:07

、第2部 午後3時開演 1階え列20番

この席はお年玉ごあいさつの亀治郎の顔が真正面から見られてなかなか良かった。亀治郎は横顔より正面の顔が良い。最後は、亀ちゃん、にらみもやっちゃうか?みたいな勢いだった。

「壺坂霊験記」

去年、福助と三津五郎でやったのを観たが、仏教の布教目的とかならともかく、大人が真面目に観る話ではないと思った。話自体の感想は今回も変わらない。

愛之助の沢市は、関西弁はさすがにうまい。しかし盲目のときに悲しんでいる姿に真実味を感じない。教わったという我當の名残はあるが、愛之助には我當から感じる生真面目さがないのでうそっぽい。目が開いて喜ぶ姿はかわいくて良いと思う。


「黒手組曲輪達引」

これは、前に菊五郎で観たときより面白かった。亀治郎が助六、というのはガラでもないと思ったが、パロディというのがはっきりして、かえって良いかもしれない。

序幕、番頭権九郎(亀治郎)が白玉(春猿)の腕をつかんで花道を出てきた姿は、中年のさえない親父が綺麗な若い女と駆け落ちしてきたというアンバランスさを、絵としてよく示していた。亀治郎と春猿が立役と女形で恋人風に絡んだのを観たのは初めてだ。

権九郎が小屋の中に入り、やがて牛若伝次といっしょに出てくる。この時、亀治郎は牛若伝次に早変わりしている。私の席からは、亀治郎が中に入って奥に消え、別の権九郎とすりかわるのが見えてしまった。

序幕の最後に、亀治郎は「顔の同じ従兄に福山雅治を紹介してもらってバックコーラスにでもなろうか」と言い、花のついたスタンドマイクを持ち出して、福山の歌を流して口パクした。菊五郎がやった時もお笑いがあった幕だが、今月の方が私の好みだった。

イヤホンガイドによると、序幕と次の幕以降は話として続いてないのだそうだ。

大詰めに水入りがあった。 本物の助六が喧嘩に負けて謹慎してる間に水入りまでやっちゃう? 去年の演舞場の助六と同じで最後は舞台中央の梯子の上で幕になったが、亀治郎の細い足が水に濡れて光っていた。

今年は、事前の予想通り、亀治郎中心だった。「独楽」も「黒手組」も亀治郎の芸を見せられる演目なので、よく選んだと思う。「黒手組」には色物感はあるのだが、それでも亀治郎の芸がしっかりしていることはわかる。

海老蔵の怪我による休演は歌舞伎界にいろいろな結果を生んだ。笑三郎の役が三浦屋女房だけなのは少しさびしいが、春猿、笑三郎と亀治郎が思いもかけずまた共演することになって、これからどうなって行くのだろう。

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