松竹落語特別公演「桂小米朝と柳家花緑」2008/01/20 22:19

2008年1月20日 午後5時開演 浅草公会堂 1階こ列5番

きょうは新春浅草歌舞伎の第二部は休みで代わりに落語の公演があった。花道の外側の席だが前の人の頭が全然じゃまにならない席だった。

柳家花いち

この人が演者を書いた紙をまくったり座布団をひっくり返したりしていた。 長屋の住人が、大田道灌が蓑を借りようとしたときに娘に見せられた山吹の歌を大家に紙に書いてもらって友達に雨具を貸すのを断ろうとする話。普通のしゃべりの時の発音が聞き取りにくい。大家がしゃべるときの落語のしゃべりになった方が聞きやすい。

桂こごろう

関西の人だが、この人のしゃべりの方が聞き取りやすかった。一日一万円で虎の毛皮を着て動物園の虎の檻で虎のふりをする話。オチを知っていたので聞いたことがある話だが、トラの歩き方が面白かった。確かにトラはあんな風に歩いていると思ったし、歩幅を広くすると順に犬、カバ、ワニになるのも面白かった。

桂小米朝

花道から登場し、すっぽんの辺りで立ち止まって客席を見回した。枕で、高槻現代劇場でも聞いた関西人の話をしていた。京都の人間は自分を関西人だと思っていない、というのは前回と同じだが、京都の人間も東京の人間と同じで値段が高いものをありがたがる、というようなことを言っていた。高槻の時は東京の人間が、と言っていたが。場所によって話の内容も微妙に変えるのだろう。襲名披露を演舞場でやるそうだ。話は「七段目」。先月あたりにテレビで木久蔵あらため木久扇がやっているのを見たが、あのときは八百屋お七の人形ぶりはなかったような気がする。歌舞伎を観たことがないとあの話はあんまり面白くないのではないか。歌舞伎ファンが見るとすごく面白い。あんな風になっちゃう若旦那の気持ちはよくわかる。まだ本題に入る前にやっていた団十郎の「ご新造さんへ」の物真似は、当然今の団十郎だろうが、大昔に観たので覚えていないが、あんな風にしゃべるだろうと納得できる台詞まわしだった。

柳家花緑

こちらも花道から登場したが、ところどころに立ち止まっていて、最後はブレイクダンスの真似をしていた。演目がどこにも書いてないのでわからないのだが、すこぶる真面目な若旦那が友達に吉原に連れて行かれる話だった。内容的にはとても面白い話だった。花緑の話は小さんが生きているときに読売ホールで聞いたことがあるが、あのときよりはうまくなったようだ。

20分休憩の後、2人のトーク。生活ホットモーニングに出た米朝の話をしていた。小米朝は浅草のようなところが大阪にはなく、しいて言えば新世界だが、と言うと笑う人が多かったが私は新世界のイメージがよくわからない。大阪についてどう思うかと聞かれて花緑は大阪のお客さんは怖いと思っていたが自分は自分をさらけ出す性格のせいか受け入れてもらえる、と言った。それに対し小米朝が、「僕は気取ってるから東京の方がむく」と言って、花緑がひっくりかえっていた。

トークの後、また2人の話。背景が金屏風ではなく海の絵になった。

花緑

与太郎が厄払いの仕事をする話。

小米朝

清水寺の茶屋で京都の茶碗の目利きがしげしげと見ていた湯のみを油屋が二両で買いうけ、目利きの家で鑑定してもらうが、しげしげ見ていたのは湯がもれていたからだ、といわれ三両貸してもらって帰るが、その話がおもしろいと最終的に湯のみが千両で売れる。京都の人と大阪商人のしゃべり方の違いが面白い。「見ることを希望します」というミカドの言葉がおかしかった。テレビでは入れられないネタだろう。 公家の家の女たちのしゃべる真似が小米朝の長所が出てとても華やかで良い。