2008年新春浅草歌舞伎 第二部 5回目2008/01/21 23:14

2008年1月21日 午後3時開演 浅草公会堂 2階ち列3番

きょうは会社を半休して行った。寝不足。観劇に臨む気持ちが中だるみしている。

きょうからしばらくは二階席から見る。きょうの席は下手で、花道にいる役者の背中が見える。「金閣寺」では、花道に膝をついて頭を下げている東吉の足と草履を見ていた。大膳が刀を掲げると滝に現れる竜は頭が見えなかったが、二階席は舞台のほぼ全体が一望できるのはいい。大膳達がいる金閣寺の中の部屋の屏風絵は虎、雪姫がいる部屋の屏風絵は花で、中の人物に似合っていて美しかった。亀治郎は上手の部屋の中にいるときの動きは繊細な人形のように美しい。しかし、なるべくきれいな高い声を出そうと努力しているようなのに低音になると姫には似合わないおばさん声になる。亀治郎は素材的には歌舞伎役者として恵まれているわけではないのによくやっていて偉い、とふと思った。金閣寺が沈むとき、下手の桜はいっしょに沈むが上手の桜はそのままだ、とはじめて気づいた。大膳と花四天の絡みは2階から観たほうが迫力がある。近くで見た時はひどくぬるい立ち回りに見えた。

「与話情浮名横櫛」の見染の場では、客席の後ろの通路を通るときに笑い声が起きていたが、2階からは見えない。第二部はもう1階では見ないので、あそこのところはもう見られなくて残念だ。「源氏店」の与三郎は、前回より良くなったとは特に思わなかった。横ばい状態。「しがねえ恋の情が仇」はどうも気に入らない。続く「命の綱の切れたのを、 どう取り留めてか木更津から」は良い。今月の最後までにどうなるのだろう。できれば再演が見たいが無理かな。 きょうは、玄関の外で足で石を転がしたりしながら待っている与三郎が見えた。柳の下に立っているのは上から見た限りではサマになっていた。中に入って後ろ向きに座って安の話をきいているときの姿勢は、腹筋に負担ではないのだろうか。