愛之助の和尚吉三2011/01/23 18:26

2011年1月22日 浅草公会堂 午前11時開演 1階え列17番

きょうの年始ごあいさつは愛之助。絶妙のタイミングで「松嶋屋」の掛け声がかかった。舞台で正座してあいさつした後、立ちあがって花道に行き、きょうの演目について簡単な説明をし、また舞台に戻って、拍手の練習をした。客席に降りて質問を受けるコーナーはなかった。

「三人吉三巴白浪」

イヤホンガイドを聞きながら、あのかぶり方は「吹き流し」というのかと、おとせ役の新悟を見た。続いて出てきたお嬢役の七之助の衣装についても詳しい説明が入る。この席は花道七三にいる役者がよく見える。

和尚吉三が花道から出てくるとき、先に奥から声がしたような気がしたのは私の記憶違いだった。花道の奥から声が聞こえるのは独楽の亀治郎だ。

愛之助の和尚吉三は初日に観た時にパッとしないと感じたので、13日には亀鶴の和尚で嬉しかったのだが、きょう観たらとても良かった。和尚吉三というのが良い役なのだということを初めて実感できたし、今月は省略された場も別のときに是非、愛之助の和尚で観たいと思った。

大川端でお嬢とお坊を止めに入ったときの台詞は耳に快く響く。外郎売の言い立てのときに感じたのと同じく、口跡が良いと同時に台詞の抑揚がうまい。

もっと良かったのは吉祥院本堂の場。大川端の場の、少し毛が伸びた坊主のかつらより、この場のつるっとした坊主のかつらの方が似合うし、着てるものも似合う。おとせと十三郎から話を聞いているときの感情表現が細かく、かつ無理がない。2人を殺す決心をして墓場に行かせ、源次坊の持っていた包丁を取って口に咥えるあたりは殺気が漂う。

あいさつの時は気付かなかったが、愛之助は頬の肉が落ちて初日より精悍な顔になっている。大川端の時に目つきが精悍だったから、ああやって兄貴の貫録を出そうとしてるのかと思ったが、吉祥院の場で出てきたときに、顔が細くなっているのに気付いた。これなら、来月の三五郎も期待できるかも。

前に玉三郎、団十郎、仁左衛門で三人吉三を観たとき、お坊の仁左衛門の演技が平凡だったので、それ以来、この話自体がつまらないのだと思って来た。しかし、きょうの愛之助の和尚を見て、うまい役者が和尚をやれば面白い話なのだと考えを改めた。仁左衛門の和尚が見たくなった。

「独楽」

初日にもイヤホンガイドを借りたが、独楽のときは聞いていなかったようで、初めて聞く話ばかりだった。亀治郎が出てきたときの着物の模様は括り猿というのだそうだ。

予想したことだが、この席だと亀治郎が舞台の真中に来ると足が見えない。
踊りを見るときはやっぱり2階が良い。

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