藤間会 9/262012/09/27 00:55

2012年9月26日 国立劇場大劇場 午後4時開演 3階11列14番

チケットがとれてよかった。 3階だが花道の真上だし、十分満足した。

「寿式三番叟」

翁は菊五郎、吉右衛門、梅玉。千歳は時蔵。面箱は七之助。
下手からしずしずと出てくると、私の後ろの大向こうさん達が忙しく屋号を掛ける。

全員がこちらを向いて座って頭を下げるが、箱を持っている七之助だけは箱を捧げ持って上体を起こしたまま。

上手に控えた翁たちの後ろにそれぞれの後見が座る。尾上右近、種之助、梅丸。

最初に千歳の時蔵が一人で踊った。次は、金地に松の扇を持った翁三人の踊り。

千歳と翁たちが一定の距離を保ちながら下手に引っ込むのを見て、昨日まで歌舞伎の舞台をやっていた役者もいるのに、きょうこんなにちゃんと舞踊の舞台をつとめていることに感心した。 下手で後ろを向いて座っていた勘十郎が立ち上がって三番叟の踊りが始まる。後見は歌昇。勘十郎の三番叟を観るのは「囃子の会」以来だ。 不純なものがなく力強い踊りで、私は大好きだ。最初に花道に出て、七三のあたりから舞台を睨む形。烏跳び3回。

上手に控えてずっと三番叟の踊りを見守っていた七之助は、鈴渡しもする。そして、短く謡が入った後、2人が向かい合って踊る。飛び跳ねるような感じの、若い2人にぴったりの踊り。七之助の動きを見ていたら勘三郎のこんな踊りを観たことがあるような気がしたが、記憶がない。気のせいだろう。

2人がいっしょに下手に引き揚げるとき、後見の歌昇は手をついてお辞儀をしていた。そのまま幕が閉まった。

「出雲梅」
藤間綾さんの綺麗な踊り。

「藤娘」
中務智咲子ちゃんの可愛い踊り。しどけなく横になるところもあって、客席から暖かい笑いが起きた。

「鏡獅子」
藤間涼花さんの踊り。
周りの人が歌舞伎役者で男。身長差があるので、弥生が可愛く見える。獅子もかわいい。しかし最後の毛振りはがんばっていた。振ってるまま幕が降りるわけじゃなく、毛振りの後は正面を向いてしっかり立たないといけないのに凄い。

「京人形」
左甚五郎役は権十郎。京人形は藤間香さん。
笑也の京人形を思い出していたが、この役は、女よりも女形が踊った方が有利だろう。ただの人形のときのロボットみたいな動きと、女らしい動きの違いがはっきり出せる。

「豊後道成寺」
藤間利弥さん。大柄な人なのか衣装映えがして、踊りも綺麗だった。

「女伊達」
女伊達が藤間勘寿々さんで、男伊達が亀三郎と亀寿。 女伊達が本物の女性だと、男伊達の背が高く見える。

「此の君」
幕が上がると、銀色の屏風を背景に若竹色の着物を着て座っている玉三郎。 一幅の名画だ。その名画が動く。 身体の微妙な動きが客を魅了する。扇の扱いも美しかった。

上手には、上段に三味線と歌の女性達、下段は小鼓の傳左衛門と笛の福原寛。笛と鼓が入った後、少し速い動きの踊りになった。

生の玉三郎を見ているのが、我が人生至福の時だ。

「雨乞其角」

最初に其角役の勘十郎が出てきて踊った。

次に、芸者2人(扇雀、孝太郎)に支えられて、酔った風情のお大尽(勘祖)、船頭(橋之助、七之助)。元々は勘三郎が踊るはずだったお大尽。

孝太郎は、素踊りでクネクネすると気持ち悪いが踊りはうまい。 勘十郎と孝太郎が真ん中で踊っているとき、下手で2人で踊っている船頭役の叔父甥は一際美しく見える。

最後は、後ろの大ぜりから勘十郎と若手が現われ、皆で踊った。
下手と上手の端に梅丸と男寅。他に廣松、廣太郎、米吉、種之助、萬太郎、新悟、右近、隼人。歌舞伎の未来を見ているようで楽しかった。

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