新春浅草歌舞伎 鏡開き ― 2007/01/02 21:04
鏡開き
9時20分頃に浅草公会堂の前に着いた。道路をはさんで公会堂側にはテレビカメラとふるまい酒のために並んでいる人がいて、反対側にも人が立って公会堂の方を見ていた。最初は反対側にいたが写真をとるのに遠すぎる気がしたので公会堂側に移動。
9時半やや過ぎに役者が出てきたが特等席にはテレビカメラがいたし他にも人がいたので腕をのばして適当にシャッターを押すしかなかった。男女蔵と亀鶴は遠いほうにいたので全然とれなかった。
役者より先に台東区長の挨拶などがあり役者の挨拶が待ち遠しかった。まず愛之助。新年早々はなばなしく死にます、みたいなことを言っていた。最後は何度も見て、終演後は浅草で買い物もして、と言った。次の獅童は愛之助さんに全部言われちゃってー、から始まった。司会の人が「ではこれから鏡開きにうつりたいと思います」と言ってから、「大変失礼しました」と言ったので何かと思ったら男女蔵がまだ挨拶していなかった。
鏡開きが終わり、役者から直接お酒をもらえるのは25人くらいで、最初の6名の方、次の6名の方、と言われて順番にもらっていた。それが済むと役者はひっこんだが、勘太郎が出てきて「浅草に芝居小屋を作るための署名をしてください」と言った。
新春浅草歌舞伎 初日 第1部 ― 2007/01/03 00:10
2007年1月2日 浅草公会堂 午前11時開演 2階な列6番
いつもはギリギリセーフか遅刻して行く私だが、きょうは鏡開きが終わった後は11時まで何もすることがないので時間あまりまくり。浅草寺に初詣に行ったが思ったほどには混んでなくてスムーズに終わり開演時間よりもかなり前に浅草公会堂に戻った。署名をした後、近くで「浅草歌舞伎を育てる会」が売っていた「花道」という冊子の今年の分とバックナンバーを買った。二年前のがあって嬉しかった。二年前のチラシをみてはじめて愛之助がイケメンであることを認識した。そのチラシは私の机の上に置いてあって毎日見ている。
イヤホンガイドを借りた後プログラムを買おうとしたらオリジナルグッズ付きのものは入場後に1階で売っていると書いてあったので迷ったが、プログラムだけを買った。
歌舞伎座の3階なんかに比べると座席がずっとゆったりした感じがする。前後の座席の間が広いのと客の頭が互い違いに来るような配置のせいか。
「お年玉挨拶」
勘太郎の挨拶。定式幕の真ん中あたりで赤い毛氈の上に正座して挨拶。愛之助がそんな格好している写真を見たことがあるがこれだったのか。最初はお客さんが入らなくて段四郎のおじさんが・・・というような話をしていた。今年で七回目、と言っていたが私が観た新之助の弁慶はその前年だろうか。あの次の年から出演者の顔ぶれが変わったということか。
「すし屋」
最後に見たのは南座の後見役だった芝のぶがお里の役だった。権太役を観る前に愛之助のお里が観たかった。
「すし屋」は舞台で観たことがあるのかどうか確信がない。テレビで菊五郎の権太を観た記憶がある。今回愛之助がやった上方型の権太はたぶん初めて観た。死ぬ前の長台詞はプロンプターつきのようだったが高い声や低い声いりまじって出ていて大変そうだった。
愛之助は花道から出てきて玄関の戸をあけるときに強くあけすぎたらしく閉めようとしてもしまらなくなってしまった。愛之助はそのままにして舞台中央に来たがその後黒衣さんと大道具さんが来ていた。維盛役の七之助が戸を直そうと試していたら愛之助が「なんしとんじゃ!」と言って客が笑った。
イヤホンガイドを借りたのに聞いていなかったのを「すし屋」の途中で思い出したが休憩時間から聞くことにして、休憩時間にお弁当を食べながら聞こうとしてスイッチを入れたらいきなり「皆様あけましておめでとうございます」と言う愛之助の声が聞こえた。
「身替座禅」
愛之助とダブルキャストの玉の井役の獅童はスタイルがいいせいか結構綺麗な女に見えた。2階からなので顔がよく見えるところから見たら怖いのかもしれないが。
勘太郎は踊りがうまいので右京の役はぴったりだ。最初に見たのが孝夫なので右京は二枚目という先入観があったが間違いで、勘太郎は特に好色でもない普通の男が浮気しに行く、という風情が持ち味だ。ただ花道での表情がわからない席なので明日にならないと確信できないが後朝の「よかった~」という呆けた顔が物足りないような気がする。
太郎冠者役の七之助は「め!」というのがうまい。
新春浅草歌舞伎 初日 第2部 ― 2007/01/03 20:48
2007年1月2日 浅草公会堂 午後3時開演 3階は列16番
浅草公会堂の3階席の1列目は背もたれにもたれると舞台の上半分しか見えなくなるので後ろに気をつかいながらもやや前のめりになる。3時になって、あの定式幕のふくらんだあたりの後ろにお年玉挨拶の愛之助が座っているんだろうと思いながら待った。幕が持ち上がって出てきた愛之助は鬘をつけて裃姿だった。
「義経千本桜 渡海屋 大物浦」
イヤホンガイドをきいていろいろわかったことがある。何回か観ている演目なのにこの芝居の中の安徳天皇が女の子だということもはじめて知った。最後の方に知盛役の獅童がちゃんと台詞でも言ってるじゃないか。女の子が生まれて男と発表するのはリボンの騎士が最初じゃないんだ。ちゃんと日本の伝統にあったわけだ。
獅童は歌舞伎が下手なのでこの演目を観るのは苦痛なのではないかと予想していたが、下手だとは思わなかった。知盛の衣装が似合って見映えがするし、台詞も全然悪くない。少なくとも芝居のセンスはある人だと思う。だから映画でも次々に使ってもらえるわけだ。もし完全に映画の方に行くとしたらもったいない。
典侍の局の七之助がとてもうまかった。獅童よりもむしろ重要な役で、あの役の人が下手だったら知盛役が下手なよりも苦痛だったろう。
相模五郎役の亀鶴と入江丹蔵役の愛之助ははじめの方でいっしょに花道から出てくる。たぶんそのために化粧がすんでから挨拶したのだ。銀平に外に放り出されたあと、相模五郎の弓なりに曲がってしまった刀を二人で石で叩いてまっすぐにして鞘に納めようとするが、はじめは叩き方が足りなくてまだ曲がっていたのがもう一度叩いていた。「ひの、ふの、み」で入れようとするが刀が鞘から抜けてしまった。愛之助が「申し訳もござりませぬ」と謝り、亀鶴が「あまり強く引くなよ」と言ってもう一度「ひの、ふの、み」でやっと入った。事故なのだが和気藹々で、舞台の上も客席も良い雰囲気だった。
「身替座禅」
勘太郎は第1部よりもよくなっていた。第1部を観て菊五郎の言い方の方が良かったと思った「会いたい、会いたい」も、花子の感情を込めて言っていて客先から笑いをとっていた。
愛之助の玉の井はどんなものかと思ったが予想よりも堅い雰囲気の女だった。肩幅の広いガッチリした体型をもろに出していてやや太め。3階なので顔はわからなかったが全体の雰囲気が怖そうだった。
太郎冠者の亀鶴も良い。「め!」と最初に言った後、「め、めめめ」と何度も繰り返していた。
新春浅草歌舞伎 2日目 第1部 ― 2007/01/04 23:14
2007年1月3日 浅草公会堂 午前11時開演 1階す列15番
着席したときは獅童が挨拶をしていた。「イヤホンガイド」を一段声を高くして言った。「携帯の電源を切って」と言ったので、そういえば勘太郎は言ってたけど愛之助は言わなかった、と思った。最後に「今年は勘弁してくれって言ったんですけどやれというのでやります」と言って、立って花道に出てきた。手を開いているので三本締めでもやるのかと思ったら、「1階の皆さん、用意はいいですか、拍手~」「2階の皆さん~」「お待たせしました、3階の皆さん~」と、拍手の練習だった。
「すし屋」
死に際の長台詞でのプロンプがとれたかどうか注目していたが、予想通りとれていた。きょうは入り口の戸もこわさずに開けていた。
「身替座禅」
1階の花道近くで右京の後朝の顔をよく見ても仁左衛門や菊五郎のようなおばさん連中の下品な笑いを誘うような表情ではなかった。
新春浅草歌舞伎 2日目 第2部 ― 2007/01/05 22:48
2007年 1月3日 浅草公会堂 午後3時開演 1階う列21番
今月買ったチケットのうち一番前の席。舞台が近くて中央だと役者さんの熱演が目の前で起きるので迫力がすごい。獅童が汗をポタポタ落としているのがよく見えた。
「義経千本桜 渡海屋・大物浦」
芝のぶは女官の一人で、最初に安徳天皇の世話をする女房の一人として出てくるが、しぐさがとても自然で、女の人にも好かれるああいう優しい女の人っているなあ、と思った。何度も見ているとファンになる気持ちがわかる。
亀鶴といっしょに花道を出てきた愛之助の姿はかなり近くで観られたが、手の甲に布をつけていたので残念ながら血管は見えなかった。
七之助の長台詞は本当に素晴らしい。玉三郎だって23歳のときにこれほどうまくはなかったろう。女形というと、まず綺麗か不細工かに関心が行くが、この人の演技を見ると大人っぽくて、歌舞伎には若く綺麗な女の役以外にもいろいろ大きな役があるのだから女形だって綺麗なばかりが価値じゃないと思い至る。この人の魅力はまず声だが、声の質というよりそれをコントロールするセンスの良さを感じる。 こんな風に若い才能が花開くのを見られるのが花形歌舞伎の魅力だ。
長台詞はオペラのアリアと同じでうまい人のを聞くとうっとりする。古典はやはり凄い。
熱演の獅童もよくて、この演目が公演中一番楽しめた。公演前に一番期待した「すし屋」は愛之助の肩や腕を見られて嬉しいが、話の内容自体が好きになれない。仁左衛門の権太は見たことがないが、仁左衛門はステキでも話自体はやっぱり私の好みではないような気がする。
「身替座禅」
愛之助の玉の井は近くから観るとがっちりした体格があまりよくわからない。顔はおかめというか、火の鳥のアメノウズメのようなブス顔。仁左衛門は素顔そのままで般若のように怖い顔だったが。
愛之助は玉の井の声のようなやや高い声の方がよく通ってききやすい。権太の声は11月の羽倉斎宮と同じで良い声なのだがややぽおっと広がる感じで台詞がやや聞き取りにくくなる。
Englishtownの制度変更 ― 2007/01/07 00:40
私は5年前からオンラインのEnglishtownで英会話のレッスンを受けており、はじめはグループレッスンだったがプライベートレッスンが始まった4年前からはそれまで通学していた英会話学校はやめてもっぱらここでプライベートレッスンを受けている。去年の暮れまではプライベートレッスン用のクーポンを買ってレッスンを予約していたがクーポンを買い足そうとしたら以前クーポンを売っていたページはプライベートレッスンに興味がある人はPrivate Teacherというのを買ってほしいと書いてあった。何枚かずつクーポンを買うことはできず、50回分のチケットを買わなければならない。そのページにはその料金も書いてなく、問い合わせ用のフォームがあるだけだ。それも「無料レッスンに興味がある方は」のように部外者用に見える。
私は生徒なので、レッスンに問題があったときなどに使う問い合わせフォームで問い合わせるとメールで来たアドバイザーからの返事は上で書いたPrivate Teacherのページにあるフォームで問い合わせてくれ、というものだった。そのフォームには名前とメールアドレスと電話番号しか書き込めない。しかたなくそのフォームに書き込んで送信したが、それに対する返信のメールは「 このたびは、イングリッシュタウン e-Box Private Teacherの無料体験レッスンにご興味頂き(ママ)、誠にありがとうございます。 」という、部外者に対する文章だった。何か質問があったら電話か、そのメールに返信、と書いてあったので早速怒りのメールを返信したらすぐに返事が来て、e-Box Private Teacherを買うことになった。
今回の制度変更が日本だけではなくすべての国でそうなのか、現在の生徒に対する対応を決めているのがどこなのかわからないが、生徒に送るメールが一般人と同じとは言語道断のである。
e-Box Private Teacherを購入するといろいろオマケがついてくる。本日それが宅配便で届いた。
・ プライベートレッスンテキストブックセット ・ 書籍「英単語・熟語ダイアローグ1800(CD3枚付)」 ・ プレミアムヘッドセット ・ オリジナルTシャツ ・ オリジナルノートブック
プライベートレッスンテキストブックセットは、以前のキャンペーン中に48レッスンのクーポンを買ったときにもらったテキストブックと内容は同じで、ただ綴じ方が違いサイズが小さくなっている。
書籍「英単語・熟語ダイアローグ1800(CD3枚付)」はTOEIC600~900点レベルというのがバカにしているが教材に使ってもいい。
プレミアムヘッドセットは今のところ不要なのでしまっておく。
オリジナルTシャツは青くてTalk to the World! と書いているが夏になったら家で着ることもあろう。
オリジナルノートブックは厚い表紙で、レッスンの記録などができるものだ。付いているカレンダーが2005年と2006年なのがバカにしている。
新春浅草歌舞伎 第1部 3回目 ― 2007/01/07 20:06
きょうは浅草線ではなく銀座線で浅草へ行ってみたら仲見世への近道という昭和三十年代にタイムスリップしたような地下道があった。
2007年1月7日 浅草公会堂 午前11時開演 1階け列23番
いわゆる「とちり」席の「り」にあたり、かつ中央の席だが、やはり舞台全体が視野に入る上に役者の表情も肉眼で見ることができる良席だ。私は今まで花道の近くにすわったことはあるが、前方上手よりが圧倒的に多く、中央の席はあまりない。
きょうは第2部が着物の日なので会場の係員や番頭さん達も着物を着ていて眼福。
幕間の休憩が25分だったがきょうだけ5分短くして第2部との間の時間を長くしたのだろうか。浅草公会堂はトイレの数が少ないのだから30分はないと人が捌けないと思うのだが。
お年玉ご挨拶は男女蔵。最後に会場のみんなでハッスルハッスルをやった。
「すし屋」
個人的な不得意演目と悟ったので愛之助の身体を鑑賞する演目と割り切って見ることにした。そう思ってみると結構良い。顔が仁左衛門に似ているので私にとってはそれだけで50点はあげてもいい。
戸を開けて入ってきてすぐのところは何かとてもせかせかした動きに見える。仁左衛門はせかせか動いても美しいが愛之助は短躯なので美しくないということなのだろうか。
愛之助の権太が父親役の男女蔵に刺されて倒れた後、上体を起こしたときには髪の毛がザンバラになっている。黒衣さんはいないし、倒れている間に母親やお里役の役者も手伝ってあのようにするのだろう。「歌舞伎おもしろ講座」で倒れている間にいろいろ仕事をする定九郎の話を聞いたのでそんなことを考えてしまう。刺して台詞を言っている男女蔵がイノシシにあたるわけか。
台詞が聞き取れないわけではないが、ピッチが低い声のときは愛之助の台詞のときだけ音量が低くなったように感じる。
「身替座禅」
獅童の玉の井は出てきただけで客が笑い、ニコッとするとまたみんな笑う。
七之助の「もおし、もおし、たのおだおかた」という台詞が耳について離れない。亀鶴もうまいが七之助の方がもっとうまい。獅童の顔を見てびっくりするあたりがとても面白い。獅童はそんなに芸達者なわけではないので七之助の大仰な動きとよく合うのかもしれない。
獅童の玉の井は愛之助のように女形の声が出せない分、立役がやるこの役の狙い通りだし、カラッとしてて結構好きだ。
壽 初春大歌舞伎 歌舞伎座 夜の部 ― 2007/01/08 22:49
2007年1月8日 歌舞伎座 午後4時半開演 1階10列7番
歌舞伎座は1万8千円という値段も客の年齢やお召し物のグレードも浅草より高く豪華で正月らしかった。でも眠ったし下手な役者もいた。それはいつもの歌舞伎座の芝居と同じ。
「廓三番叟」
孝太郎が出ていて懐かしかった。先月見たばかりだけど。
「金閣寺」
本日一番観たかったもの。しかしこの前の休憩の頃から眠くて縛られた玉三郎の上に桜がどかっと振るところは観たがそれでも時に気分が高揚しないまま芝居は終わった。玉三郎を楽しむ本番は来月だ。
30分の幕間にほうおうで初春弁当(2500円)を食べる。花かご弁当と同じでいろいろなものが少しずつ入っていて決して量が多すぎないのがいい。
「春興鏡獅子」
前の演目で眠ったおかげで目はぱっちり。そもそも私はあんまり踊りのときは寝ない。先月に続いてまた勘三郎の振袖だが弥生は前にも観たことがあるしそのときも特に嫌ではなかった。玉三郎の弥生も観て、それはそれで良かったのだが、この演目については自分の中でもさすがに玉三郎を基本にしてはいない。
弥生はとてもよくて、獅子の方はさすがに体力が衰えたように見えた。
胡蝶は鶴松と宗生。出てきたとき、鶴松ってこんなに小さかったのか、と思った。先月顔見世で観たときは大人の中だったし2階からだったのでそんなに小さい子とは感じなかった。十一歳というのは知っていたが。宗生は子供だが、鶴松の方が確かに踊りがうまくて子供とはいえ色っぽさを感じさせる。踊りの所作の一つ一つがなぜそういう形なのかの意味がわかっていてその魅力を一番発揮できるような動きができる子だ。大きくなって女形を見るのが楽しみ。
「切られお富」
与話情浮名横櫛のパロディ。橋之助と福助は見目麗しい兄弟だが芸の素質は甥の勘太郎と七之助の方が上だ。この役の福助は下手だ。声は七之助に似ているが聞いていて快くない。芝居勘もあるように思えない。
こうもり安の役の弥十郎は肌が綺麗で色白なのか、太ももまで見せると生っちろく感じる。なかなかいい脚をしている。
和文化たしなみ講座 歌舞伎の魅力 ― 2007/01/16 23:14
リビングセレブリティサロン 和文化たしなみ講座 歌舞伎の魅力 第3回
平成19年1月16日(火) フォーシーズンズホテル メイプルルーム 午後7時開始
メイプルルームは前に壇があり、講座受講者の席は前に向かって左右のブロツクに分かれて椅子が並べてあり、真ん中に通路がある。私は向かって左側、Aブロックだった。各座席の後ろに座席の番号を書いた紙が貼ってあり、それが最後の抽選のときの抽選券だった。各座席の上にA4の紙4枚をホチキスでとめたレジュメがおいてあった。出演者プロフィール、浅草歌舞伎の1部の演目、すし屋のあらすじ、すし屋の登場人物相関図、片岡仁左衛門家家系図が書いてあった。
【講義】 第一部 19:00~ 演劇研究家 塚田圭一さんによる「新春浅草歌舞伎」見どころ解説
塚田圭一さんは浅草で1部の方のイヤホンガイドの解説をやっている人。 第一声は「こちらから拝見しますと皆さん愛之助さんが一刻も早く見たいようで、どうして私なんかがしゃべるのかとお思いでしょうが・・・」。
でも私は結構塚田さんの話に期待していたのに、イヤホンガイドと大差なく「すし屋」と「身替座禅」の筋を追っていたのが少し不満。もう少し裏の話とかつっこんだ話が聞きたかった。個人的に一番価値があったのは時代物というのは江戸時代から見て時代劇で、世話物というのは江戸時代の現代劇だ、ということ。はじめて知った。世話物について誤解していた。
浅草公会堂で買ったプログラムをちゃんと読めば書いてあるのかもしれないが、権太の父親が持ってきた首は死んだ小金吾の首だそうだ。誰か殺して持ってきたのかと思っていた。
イヤホンガイドの宣伝もしていたし、帰りには浅草で遊んでいってくれというような、浅草公会堂の役者と同じことを言っていた。
新春浅草歌舞伎は、江戸歌舞伎発祥の地の浅草で、若手に日頃できないような大役をやらせようという趣旨で昭和55年に始まったものだそうだ。
第二部のトークショーの間に30分の軽食タイム。別の部屋でサンドイッチ、デザート、ソフトドリンク程度の立食だが、期待したよりよかった。デザートはあまりおいしくなかったがピクルスがおいしくて口がすっぱくなりすぎるくらい食べた。
第二部 20:20~ 片岡愛之助と中村芝のぶの「トークショー」
最初に第1部の講師の塚田さんが出てきて、愛之助は後ろの扉から入場。眼鏡をかけていたのでちょっと驚く。服は鏡開きのときと同じ。
塚田さんが愛之助をインタビューする形式。
まず、初日に木戸をこわした話から。ストッパーを通り越して戸があき、しまらなくなったそうだ。すし屋の中の他の役をいろいろやった。松緑、猿之助の権太で善太をやった。「猿之助さんの背中におぶさったんですよ」(へえー。) 権太はやっていて気持ちのいい役でしょ? という質問に、ちょっと考える。「すし桶もって花道で見得をきることは気持ちいいでしょ」「あそこだけは気持ちいいです」
最近女形をやりませんね、行く行くはやります、のようないつもの話。平成若衆の話。
日本駄右衛門の役は自分でもそんな役が来たのが驚いた。あれは一生懸命じゃなくて余裕があってやるべき役。
塚田さんが3月南座のチラシを持ち出して「ホストクラブのチラシかと思った。」愛之助は「それは、着て下さいと言われたもの着て撮った。そんな風になると思わなかった。」
9月にオーストラリアに行った話。海外に行ったのは2回目。仕事で行った。食べ物は肉がスリッパ食べてるみたいに硬かったり油っこかったりして合わなかった。スーパーのカップラーメンが輝いて見えた。
塚田さんが「きょうは妹さんが」と言って、権太の妹のお里の役をやっている芝のぶが登場。羽織袴姿。顔、声、しぐさ、すべて男に見えない。電話に出てもおばさんと思われるそうだ。
神戸出身の芝のぶは「きょうは関西弁全開で」と言ったが、そうでもなかった。会場にご両親が来ていた。ロンドンに行くときに羽田から出発すると思っていた話、萬斎のハムレットと共演したオフィーリア役では演出家ではなくて衣装デザイナーが肌を露出させようとするので「女形なのでできない」と言った。ニューヨークへ行ったときは食べるものがなかった。日本食レストランへ行っても出てきたラーメンを見て、ラーメンって、こういうもんだったかしら?と思うような有様。日本は食べ物がおいしい、と愛之助と意気投合。芝のぶは酒好きだが「寄る年波で」仕事に響くので慎んでいるそうだ。浅草歌舞伎の役者仲間達とは草加の健康ランドに行く。
共演中の「すし屋」の話。二人がからむのは三箇所。「びびびびびー」というのは案外難しい、とお里をやったことのある二人が意気投合。愛之助みたいにたくさん役やった役者って、「中村屋はやったかしら」と塚田さん。「でも御台様(若葉の内侍)はやってないでしょう」と芝のぶ。 くどきの時だけハッスルしているように見えないようにしたいそうだ。弥助を床に誘うシーンを稽古してるとき「それは色きちがいやで」と仁左衛門に言われた。
愛之助はいろんな役をやる、十月の松竹座では・・・という話で「ボーイズラブをやってましたね」と愛之助。南座の顔見世の「雁のたより」のばか殿役は、松嶋屋のやり方ではもっと本当にばか殿なのだそうだ。眉も滑稽に書き、髪結いのシーンからやる。成駒屋の型ではその前があってちゃんとしたことをしゃべるのでばかといっても司バカのような感じ。直前に台本を見て台詞が多くて驚いた。
顔見世は全部で5役もやり、夜は全幕出ていた。「遊ぶ時間なんてないでしょ」という塚田さんに愛之助は「終演時間も遅いしね。それでもその後も働かされましたもん。四日連続で町屋を借り切ってトークショーがあった。それが終わったの一時ですよ。」
藤十郎はあまり細かく教えてはくれないと秀太郎は言っていたが年齢が違う愛之助にはけっこう細かく教えてくれる。そう言うと、「へえー、そうなんだ」と秀太郎は言う。
怒るにもパワーが必要なのでおじさん達に怒るパワーがあるうちにいろいろ教えてもらいたい。
上方は型がないと言われるが、各役者毎に違う型がある、と愛之助。「成駒屋さんはいつも同じでしたもんね」と芝のぶ。
愛之助が浅草歌舞伎で忠兵衛をやったとき、八右衛門とのやり取りには型がないので仁左衛門に教えてもらえなかったので男女蔵と二人で決めて後で見てもらった。
今後の予定は愛之助は2月と5月は長野でロケ。シベリア抑留される役なので丸刈りになるかもしれない。浪花花形は「もう言ってもいいですかね」と前置きして、一部は藤間、二部はかさねの与右衛門、三部は団七。芝のぶは来月はお休みで、7月は国立の歌舞伎鑑賞教室という噂で、それ以外は決まっていない。
最後に手ぬぐい、写真、扇子などの抽選をしながら客席から集めた質問を三人にする。塚田さんに「女形だったらどんな役をやりたいか」、答えは「揚巻。愛之助さんの助六で」。芝のぶには圧倒的に多かった「美容の秘訣」、答えは「言いたくないですね・・・・でも、乾燥するのが一番いけない。浅草は乾燥していて足の先からひび割れてくるような気がする」。 愛之助には「東京と関西の仕事の割合」。「前は八割方東京だったが今はおかげさまで半々。両方好きなので・・・」
二人そろって後ろの扉から引き上げた。芝のぶのご両親のところで愛之助はしきりに頭を下げていた。
芝のぶの美しさと頭の良さが印象に残った。
きょうの仕事 ― 2007/01/19 00:42
今朝はいろんな客先からメールが入っていて今日中や明日の朝までに納品しなければならない仕事とか印刷の納期に間に合わせるためにすぐワードカウントして翻訳者の手配をしなければならない仕事などが一挙に入ってきて午前中大忙しだった。数が多い上に、肝心のファイルが客先のサーバのせいでダウンロードできない、とか必要なファイルが添付してないとか仕事を進める上で障害が多くてちっとも片付かない。午後になってようやく進み始めたが、帰宅後に自宅でフリーランスの人からメールで納品を受けて客先に納品するようなことは別として会社にいる間に処理しなければならない仕事が終わらず、時間としてはそんなに遅くない7時すぎにストレスを感じて早く帰りたくなった。
最近はずっと自分でお弁当を作ったり夕食を作ったりしていたが年が明けてから8時すぎに帰ることが多く、会社の最寄駅近くで夕食をとったり昼も外で食べたり外で買ったりすることが多い。料理は好きなのだが夕食や弁当を作っていると寝る時間が遅くなるし、遅くまで仕事をしたときはすぐ食べたいのと外食がストレス解消になるのでついつい外食する。
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